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今週聴いたもの:2024年5月30日~6月5日(三山ひろし、INSANIA、THIS ENDING)

トヨタほか自動車メーカー5社が、車を量産・販売するのに必要な「型式認証」について不正をおこなっていたという問題。

トヨタの会長の会見をみましたが率直に言って非常に気持ち悪かった。

信じがたいことに、なにがどうなってるのか誰もわかってないらしいですよ。クルマをつくって売るという自分たちの仕事について「全体像を把握している人は自動車業界でひとりもいない」んだそうです。つまり「下請けに安く部品つくらせてそれをなんとなく組み立てて売ってるんです。全体はどうなってるのかよくわかりません!」というわけらしい。

いやいやいや、自分で「グループの責任者」って言ってるじゃないか。しかも十何年にもわたって君臨している。その責任者が「全体像は誰もわかりません!原因とか言われてもそれはひとつじゃないから言えません!」とか言って平気でいるのが信じられない。じっさい全体像を把握するのが不可能だとしても、それはトップが言うべきことじゃないでしょ。言うなら「無能なのでわかりません。申し訳ございません」と言うべきでは? 経営者なら、細かいことはわからないが全体像は知っている、じゃなきゃダメなんじゃないの?

長い会見でいろいろしゃべっていたけど要は「クルマづくりは複雑で大変なんだよ!これくらいしょうがねえだろ!」という言い訳でしかなかった気が。法令に違反するのは台数や規模が大きいんだからしょうがねえんだよ、で済ませられるべきことなのだろうか。「短い納期で何度もやり直しをするのが現場の負担になっている」って、その納期を決めてるのはお前ら経営者だろ。アタマおかしいとしかいいようがない。

「いい車をお届けしたいという気持ちが強すぎるばっかりに(基準よりも厳しい試験をして)、認証のプロセスをきちんと踏むという配慮ができなかった」、というのもまったく意味不明。なんか全体的に「より厳しい試験をやったんだから問題ないだろ」というふうにもっていきたい気持ちがにじみ出ていましたが、順番が逆だろ。法規通りにやりました、しかしそれでは不十分だと思うのでさらに厳しい試験もやりました!ならわかるけれど。 ものすごく自分勝手というか自分たちの都合のいいようにというか。

自社の開発試験と認証試験では温度差がある、認証の項目には現在のクルマにはいらないところもあるということで、それはお役所にはありそうなことだけれども、だからといって勝手にルールを無視していいということにはならない。インボイス制度がどれだけクソ面倒で自分たちの仕事にとってマイナスにしかならないことで現場の負担が増すものであっても、多くの国民はそれに従って仕事してるわけで、「ルールがおかしいからルールを無視しました」などと言うのは間違っている。

いちばんビックリしたのは、「不正を撲滅するにはどうすればいいとお考えですか?」と問われて「不正って(半笑い)・・・撲滅するのはねえ・・・ムリだと思いますよ!」と断言しちゃったところ。これはもう「これくらいのことは不正でもなんでもないし、たいした問題じゃない。それよりもっと大事なことがある」という意識があらわれてますね。「撲滅というより、間違いが出たら正す」と言うが、「不正」は「間違い」じゃないからね、ってのがわからないらしい。「間違い」はたしかに撲滅できないとしても、今回みたいなのは撲滅します!って言わなきゃダメでしょ。法令違反なんだから。法令を知ってそれを遵守する気持ちがあれば撲滅は難しくない。赤字の企業が「法を守ってたらやっていけない!撲滅できない!」とうのならともかく、お前んとこは何兆円も儲かってるんだろ。それくらいのことをなぜやろうとしない?

そのうえ「私は会長になったんですよねえ。会長になったがゆえに現場の情報は遠くなった」とかぬかす始末。だったらなぜ社長を同席させない?最後のほうはイタイところを突く記者も出てきて、言い訳がましさがマシマシになっていましたねえ。「グループの責任者」といいつつ、「日野は別の会社だから」とか言うのもマジで意味がわからない。

前半の記者はみんなちょうちん持ちみたいな質問する奴ばかりだったけど、もっとズバリ「ご自身の責任についてはどうお考えですか?」とか「引責で会長をやめる考えはないんですか?」とか「短い納期って、そりゃああんたがたの儲け最優先主義がそうさせてるんじゃないんですか?」とか言えよ。「けしからん」という声は少数派、とか言って豊田にゴマすってる記者(なの?社員じゃないのか?)がいたが、いやいやいやそんなことないよ。余計な印象操作はますます印象悪くなるからやめたほうが。

そして最後は、国交省とトヨタのあいだで使ってる言葉が違うがこれはなにか「想い」のあらわれなのかという記者に対して、マスコミへの恫喝ともとれそうな「言葉の使い方」についての御高説。論点をずらすのが実にウマい。

いずれにしろ、とにかく話が長すぎて何が言いたいのかさっぱりだったし、謝りたいのか自己アピールしたいのかルールに文句言いたいのかよくわからなかった。とりあえず「謝罪会見」ではなかったですね。言いたいこと言っただけ。「アキオ塾」とかいって改革のための取り組みをやってます、と言うけれど、なんかこれは自分たちのカネの問題で混乱を起こしておきながら「改革するぞ!」とかぬかしてる自民党の奴らとソックリにみえる。自分が諸悪の根源なのでは?という反省が1ミリも見られない。「トヨタは完璧な会社じゃないんです」? いやいや、「間違うな!」と言ってるわけではなくて、「インチキするな!」というだけの話なので、完璧とかそうでないとかいう問題ではない。いろいろおかしいなあ。

三山ひろし「恋...情念」スペシャル盤

高知県出身の演歌歌手、三山ひろしの目下の最新曲「恋...情念」の新バージョンシングル。

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三山ひろしがこれまでにやってなかったタイプの曲で気に入ってましたが、CDは買ってなかったんです。しかし今回のこれは作曲の弦哲也先生自身によるギター伴奏で歌うバージョン、ということで、じゃあ買わなきゃあ、となりました。

 

弦先生によるギターはさすがのカッコよさで、哀愁の歌メロをさらに際立たせている。このへんはまあ先生ならある意味当たり前だからとくに言うことなし。でも、三山の歌唱はこれ、ひょっとしてオリジナルバージョンをそのまま使ったのかな?私には違いがわからないけど、とりなおしてもっと生っぽい音にするとかしてほしかったかな。

そしてできうれば弦哲也先生のギターと歌唱での弾き語りバージョンが聴きたい。それは三山のCDではムリだろうから、やっぱり弦先生に「次のアルバムをお願いします!」という話になるのか。もしそれが入ってたら3,000円でも良かった!

おススメ度・・・★★★★

INSANIA「SUNRISE IN RIVERLAND」

スウェーデンのメロディック・パワーメタルバンド、INSANIAの2作目。2001年作。

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ジャケ絵をみれば想像がつくとおり、HELLOWEENからの影響を丸出しにしたメロパワをやっている。といってもSTORMWARRIORがやってるようなゴリゴリバキバキだった初期のHELLOWEENではなく、「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」あたりにおけるHELLOWEENのほう。

 

どこかで聴いたようなクッサクサのメロディ満載。マイケル・キスク味のハイトーンヴォーカルはたまに音程があやしくなるけれども、すばらしくのびやかでさわやかで前向きな歌唱を聴かせてくれる。

聴いてて、「あ、これはHELLOWEENのあの曲から拝借したな」ってなるのがありすぎる(9曲目などは露骨すぎて笑ってしまう)のはちょっとどうかな、という気もするけれど、このテのサウンドが好きなら絶対に満足できるはずの快作。ここまで徹底していると逆に清々しい! 好きになりました!

おススメ度・・・★★★★

THIS ENDING「INSIDE THE MACHINE」

スウェーデンのメロディック・デスメタルバンド、THIS ENDINGの(この名義では)1st。2006年作。

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知らなかったが当時AMON AMARTHにいたドラマーも在籍していたバンド。そのドラムの音はAMON AMARTHのそれと比べるとポンポンと軽い音で物足りないけれど、プレイ自体には「らしさ」が垣間見える。

 

ARCH ENEMYにも似た感じのメロディック・デス。あそこまでメロディアスではないかな。そのへんがちょっとハンパというか、聴かせどころ的なのが少ないのがちょっと不満。リフのカッコよさだけで最後まで聴きとおせたけれど、いろいろ惜しい。

おススメ度・・・★★★☆

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