YOU TUBEの東映特撮YouTube Official にて、「仮面ライダーアマゾン」が配信されています。
それが放映されたころ私は幼稚園。見たこと自体は覚えているけれど内容はほぼ覚えてないので、これを機会に見ておくか・・と思って毎週チェックしています。「バトルフィーバーJ」も配信してて(こっちはすでに戦隊モノを卒業していて見なかったからという理由で)見てるので時間的に厳しいんですけどね、面白いから見ちゃう。
「仮面ライダーアマゾン」では文明社会にポッとあらわれた野獣のようなアマゾンがいろいろ誤解されて迫害を受けるシーンがあって、見ていてものすごく胸が苦しくなるんですけど、「多様性」の尊重や「ポリコレ」がお題目のように叫ばれる現代でも同じようなことはそこらじゅうで起こっていますね。異質な存在を容易に認められず排除しようとするのはやはり本能レベルでわき出てくる行動であり、時代が変わったからといって人間の本質はそうそう変わるものではないということなのか。
まあそんなことは子どものころはわからなかった。やはりその路線が子どもにはウケず途中から子どもでもわかりやすい作風に変更されたという話ですが、そのへんは覚えてないので今度どうなっていくのか楽しみにしているところ。
それにしても数十年経った今になってみると、子ども向けの特撮といえど俳優陣はものすごく豪華でビックリする。1話には北原義郎が出てたし、知らなかったがのちに出てくるガランダー大帝は中田博久だし。どちらも時代劇の悪役の大御所という認識だったけど子ども番組にも出ていたとは。そういえばウルトラマンは黒部進だったか。
それと欠かせないのはやっぱり、立花藤兵衛役の小林昭二。私の場合この人は時代劇よりも「ウルトラマン」のムラマツキャップと立花藤兵衛、それからジョン・ウェインの声の人というイメージ。その立花藤兵衛のこの曲の味が大好き。この曲はアマゾンのレコードに入ってるらしいけど本編では流れない? 次作のストロンガーのときには流れたらしい。
「誰がなんと言っても俺は 俺は藤兵衛 立花藤兵衛だぁ~」などと言いつつも歌詞の大半は仮面ライダーたちを褒める言葉で占められているのが面白いというか意味がわからないというか。それも含めて曲自体はそんなたいしたことないけれど、上手くもないのになぜか何度も聴きたくなっちゃう魅力ある歌唱。歌ってのは上手けりゃあいいってもんじゃない、ってのがよくわかる。
ISKANDR「VERGEZICHT」
オランダのふたりブラック・メタル、ISKANDRの3作目。2021年作。
いちばん短い曲でも7分、10分超えの曲が4曲という大作志向のバンド。ほんとうに「大作」なのか、それとも思いつきのリフをダラダラと聴かせるだけの退屈なバンドなのか、まあ後者のほうなんだろうなあ・・と期待せずにCDをプレイ。
どうしようもない絶望が全編を支配する荘厳なサウンド。意外とメロディアスなリフがあったりするし、予想してたより悪くなかった。バックでアアア~とかいってるコーラスや、スローなリフが延々と繰り返されるのを聴いてると、ヴァイキングメタル期のBATHORYが想起される。そこにブラックメタル風味を追加した感じかな。その意味で「このバンドならでは」ってところはあんまり感じないけれど、ブラック・メタルとしてクオリティが高いのは間違いない。
おススメ度・・・★★★☆
NUCLEAR「MURDER OF CROWS」
チリのスラッシュ・メタルバンド、NUCLEARの5作目。2020年作。
Amazon.co.jp Murder of Crows -Digi-
凶暴そうなサウンドを期待させるジャケ絵に惹かれて購入。南米のスラッシュメタルは私の大好物ですしね。しかしチリだのアルゼンチンだののスラッシュ/デスメタルは思いっきりイイか思いっきりクソかの2択という印象なんですよねえ。北欧や日本のメタルだと最近はもう思いっきりイイかフツーかになってきましたけどね、だからハズレなことも覚悟していたのです。ところが・・・
オールドスクールなスラッシュ、とりわけSLAYERにかなり近いスタイル! リフやソロはまるっきりSLAYERなものが多い。それがモノマネというレベルでなくカッコよくて、これはいいですなあ。気持ちよくクビが振れる!しかしそれ一辺倒というわけでもなくて、4曲目なんかはドゥームっぽい味付けで、バラエティに富んだ作風になっている。そのおかげで速い曲の速さはより際立ってくる。
惜しむらくはヴォーカルがイマイチなところかな。フィル・アンセルモに寄せた感じだけど、迫力はイマイチ。それでもヴォーカルラインにキャッチーなものがあったりすればいいけどそれもあんまりない。でもリフのクールさがその弱点を上回っているから最後まで聴けるし、買う価値のある作品になっています!
おススメ度・・・★★★★
BUNKUR「BLUDGEON」
オランダのドゥームメタルバンド、BUNKURの1st。2004年作。
アルバム1枚で1曲、1時間5分。バンドはヴォーカル&ドラム&ベースふたりという編成でギターはいない。
サウンドはいわゆるドローン・ドゥームで、ただひたすら「ズ~ン・・・ドォ~~ン・・・グワァ~~ン・・・」っていう重低音が繰り返され、そこにたまにデス声(声はわりと人間的)の喚きがのっかってくる。TEETH OF LIONS RULE THE DIVINE→今週聴いたもの:2022年7月14日~7月20日 やSLEEPなんかを思い出しましたが、1時間5分ものあいだ、ほとんど同じことを繰り返しているだけで起伏や展開というものが全然ないってのは、聴いてるほうもさすがに飽きるし、メンバーもよく曲を覚えられるよね、という気しかしない。5分くらいにしておけばいいのに。これだけず~っと同じことやるだけでアルバム1枚ってのはある意味手抜きともいえる。
およそ正気の人間がつくったものではないし正気なら聴かなくていい作品。でも、かつてBATHORYが「魔界」というものをガキだった私に垣間見せてくれたように、この作品もなにか別の世界へ連れていかれるような感覚をくれる気はする。雰囲気を味わってドンヨリしたい人(そんな気分にはならないにこしたことはないが)にはいいかも。
おススメ度・・・★★☆