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今週聴いたもの:2023年3月16日~3月22日

先日も触れた、静岡県で57年前に起こった強盗殺人放火事件、いわゆる「袴田事件」。再審開始を認める東京高裁の決定に対し、東京高検は特別抗告を断念すると発表しました!

令和5年3月12日のNHK BSプレミアム「新・BS日本のうた」

いやあこれは嬉しい。遅きに失した、っていうのはあるとしても、これでほぼ間違いなく無罪判決が出ることになるでしょう。半世紀ものあいだ、捜査機関のクソみたいな意地やメンツのために無実の身で死刑囚として3畳たらずの部屋に拘禁され、毎日毎日「今日吊るされるかもしれない」という恐怖にさらされ続け、ようやく釈放されたときには精神を蝕まれてしまっていた袴田さんの無念さや、被告に有利な証拠は隠し被告に不利な証拠は捏造するという信じがたいほど悪質な国家による犯罪行為の引き起こした悲劇の凄惨さに思いをはせると、私もテレビの前で思わず泣きそうに。それと同時にウソとデタラメによってひとりの国民の人生を台無しにした国家権力に対し心の底から怒りをおぼえました。

検察は「承服しがたいところもあるが」とかくだらん負け惜しみ言わなくていいから、さっさと袴田さんに謝罪しろ。法務大臣も「個別の事件の検察の判断についてコメントするべきでない」とかいつまで寝言言ってんだよ。お前ら歴代の法務大臣が真面目に仕事してこなかったからこんなことになったんだろ。コトの重大さがわかってないのか、それとも重大でないと思わせたいからしらばっくれているのか。どっちにしろ「お前はいったいなにを目指して法務大臣やってるの?」としか言いようがない。ただ単に「やれって言われたからやってるだけ」なんだろうなあ。

証拠を捏造して無実の人を死刑囚にし、それが誤りであるとみんなわかっていたくせにメンツを保つためにウソとデタラメを並べ時間稼ぎをし続けた。こんな信じがたいほど正義に反する、身の毛もよだつような犯罪行為を一丸となって続けてきた奴らが、「死刑は正義の実現のため」とかぬかして人を吊るしている。これに恐怖をおぼえる国民がわずかしかおらず、死刑存置派が8割を超えるっていうのはほんとうに悲しいこと。みんな他人事だと思っているからそうなる。

新聞などには「再審の法制度の見直しを」という声がありましたが、そもそも捜査機関がデタラメをやろうと思えばいくらでもできちゃう司法制度そのものが問題。再審の制度云々も必要だとしても、その前に取り調べの100%可視化とか、やらなきゃならないことはいくらでもある。それに「こんなデタラメが行われているのなら、死刑そのものを見直すべきでは?」という議論を喚起するべきでしょう。もし袴田さんの死刑が執行されていたら?という想像力が働きさえすれば、もはや死刑制度などありえない、という結論にしか行きつかないはず。テレビのコメンテーターとかそういうこと言う奴はひとりもいないのね。それも圧力?

マスコミは捜査機関がどれだけヒドイ取り調べによって袴田さんが自白に追い込んだか、裁判所がどれだけデタラメな裁判をしたか、そのへんをもっと細かく報じるべき。どうせマスコミも事件当時は捜査機関の言うことを鵜呑みにして袴田さんを犯人と決めつけて報道したんだろうから、せめてもの罪滅ぼしに国家権力がやってきた犯罪行為を全部いまの国民に知らしめるくらいのことはやれ。

ともかく裁判所は不眠不休で準備をして一刻も早く無罪判決を出してほしい。そして国民は、えん罪事件が袴田さんの事件だけ、ほかは100%間違いない、なんてことはありえないということをよく認識したうえで、死刑はほんとうにやっていいことなのかどうか考えるべきでしょう。

加山雄三「演歌流し唄」

昨年コンサート活動からの引退を表明した「永遠の若大将」加山雄三の、1972年発表の演歌アルバム。

Amazon.co.jp 演歌流し唄

2018年には「演歌の若大将~Club光進丸」という企画アルバムを出したものの、若大将の演歌アルバムは珍しい。明確に「演歌」というカテゴライズをしたうえでの作品はほかにない? 若大将の偉大さゆえにそのカタログもあまりに膨大ですべてをチェックするのは困難。

このアルバムは若大将が書いた曲は1曲だけで、あとは全部カバー。若大将が酒場で流しの演歌師をやってるという設定。1曲目冒頭では「1曲いかがですか。まあそう言わないで。酒のサカナに1曲聴いてくださいよお」などと、いかにも売れない流しであることを示すセリフが入っている。まあ楽曲はギター一本の弾き語りとかではなくきちんとしたバンドサウンドなので流しのそれにはなってませんが。

じっさいこれが出た当時の若大将はいろいろ行き詰っていた時期らしいですが、それと裏腹に作品の内容は充実しているっていう印象です。若大将の歌唱はある意味のっぺりした感じなので曲によっては演歌に合わないなあ~という気がするときもありますが、「夜霧のブルース」「星影のワルツ」みたいなムーディな曲にはビッタリハマっている。カッコいい。エレキがペンペン~っていうアレンジも若大将の作品らしさが増して良い!さすがだ。

おススメ度・・・★★★★

THESE ARE THEY「WHO LINGER」

USのデスメタルバンド、THESE ARE THEYの1st。2009年作。

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USのバンドでこのバンド名とジャケ絵、メタルコアみたいなのかな~と予想。しかし聴いてみると、1曲目はDISSECTIONの「The Somberlain」のイントロみたいな序曲で、ドラマティックなメタルを聴かせるバンドなのか?とちょっとだけ期待。

それに続く2曲目以降はまるっきりAMON AMARTHみたいで、たまにドゥームっぽい曲もあったりする。ヘヴィさに重点が置かれたサウンド。

なかなか悪くないんだけど、一聴して「AMON AMARTHみたい」と思ったように、なんかどの曲もリフも「どっかで聴いたことあるなあ~」っていうのが多い。それはやっぱり、思い付きっぽいリフが延々と続くだけの、いかにも練られてないというか、ここを聴かせようというキャッチーなフックなんかが全然ない曲ばっかりだからなんでしょう。悪くないけど印象薄い。

おススメ度・・・★★☆

HATRIOT「DAWN OF THE NEW CENTURION」

USのスラッシュ・メタルバンド、HATRIOTの2作目。2014年作。

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未聴のCDの山からなにも見ずに1枚引っぱり出して聴いて、「あれ~なにこれEXODUS?」と思ったらそのEXODUSにいたスティーヴ・「ゼトロ」スーザのバンドでした。そういえばこういうバンドやってたな。チェックしてませんでした。ベースとドラムはゼトロのムスコさんか。

そのサウンドはまるっきりEXODUS。ゼトロのヴォーカルの個性が圧倒的すぎるからってのもありますが、ギターのザクザクさ加減といいリフといい、EXODUSのアルバムと言われてもたぶん信じちゃう。

その意味では、このバンドでなくてもEXODUSを聴けばそれでいいじゃん・・とも言えるかな。カッコいいけどとくにこれといってこのバンドならではという強烈なフックのある曲はない気が。クランチの聴いたリフとズドズドズドっていうスラッシュ・ビートに身をゆだねてればそれで気持ちいいんだからOK、という人にはおススメ。

おススメ度・・・★★★

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