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令和4年11月13日のNHK BSプレミアム「新・BS日本のうた」

「法相は死刑のハンコ押したときだけニュースになる」「法務省はカネや票に縁がない」とかぬかして顰蹙をかった葉梨法務大臣が事実上の更迭に。「重い判断である死刑は冗談にしていい問題ではない」と批判されていましたね。

それはそのとおりだと思うんですが、気になるのは、なんか「死刑は軽く扱ってはいけない。でも厳粛に慎重に運用されていれば死刑はオッケー」みたいな論調がフツーに支配的なこと。どこかの昼のワイドショーでは誰だか忘れたがコメンテーターが「国際的に死刑廃止の潮流になってるなか、日本が死刑をやってるのは慎重なうえにも慎重に適用してるからオッケーと思われている。でも法相がこんな言ってると、いかにもテキトーにハンコ押してるみたいで、慎重にやってるっていうのが信用されなくなってしまう」みたいなこと言ってて呆れた。

いやいやいや何言ってんの。死刑囚の再審無罪が何度もあったり、菅谷さんみたいにテキトーDNA鑑定で無期懲役にされたり、ゴビンダさんみたいにDNA鑑定でシロってなったのに検察の意地で有罪にされたり、袴田さんみたいに証拠を捏造されたり、和歌山カレー事件みたいに物証も動機もないのに状況証拠だけで死刑確定したり、じっさい証拠捏造で有罪になって懲役に行った検事だっていたのに、それでも日本の刑事司法が「間違えることはないから人を吊るしてもオッケー」ていうレベルであると思ってるのか。中国や北朝鮮とたいして変わらないし、そんな完璧な刑事司法を実現するのは不可能、だから死刑はどう逆立ちしても無理、って有識者(?)なら言ってほしいなあ。選挙の買収で実刑判決を受けた河井みたいなのとか、今回の葉梨とか、こんな奴らに人を吊るす決定を下す権限をもたせていた、ということに恐怖をおぼえないのだろうか。

自民党の総裁もやった谷垣さんは法相時代に11人の死刑を執行。裁判関連の書類を読み込み、死刑執行命令書には数珠を片手にサインした、という話が「厳粛に慎重にやってた」ということを示すエピソードとして語られたりしますが、いやいやいや、だからどうした。法相が祈ってくれようと結局死刑囚はそのサインによって縊り殺されることになるわけで、不憫だと思って数珠を片手に祈るくらいなら命令しなきゃいいだけの話。サインするのがイヤなら死刑廃止のために働けばいい。もしも死刑は必要だと思ってるんなら悩む必要ないでしょ。ポンポンハンコ押せばいい。いつかの法相は死刑は「正義の実現」のために必要って言ってたぞ。正義の実現をするのに悩む必要ある?「こんな奴は生きてても仕方がない。吊るして殺せ」という命令を下しながら「成仏してください」ってお祈りする必要ある?死刑にするってことは「地獄へ行け!」ってことでしょ。

どう言い繕おうとも死刑ってのは完全に政権の都合で行われる(政権にとって都合の悪いときには行われないし、こいつを執行したらいろいろめんどうくさいっていう死刑囚の執行はやらない)権力維持装置であり、政権の利益のために都合のいい時に都合のいい死刑囚を選んで吊るして殺しておきながら「数珠を片手に・・」とかいうのを美談みたいにするのはとてつもなく気持ち悪い。そんなものはウソツキ国家権力が行う死刑というものの醜悪さをかくすためのポーズにすぎない。やるんなら淡々と堂々と確定後6か月以内にどんどん吊るせ。自分で刑場に行ってボタン押せ。

やりたくない、後ろめたい、人殺しになりたくないと少しでも思ってるのなら法相なんぞ辞めるか死刑廃止のために働け。選挙中だろうが冤罪の疑いがあろうが全部確定後6か月以内に吊るしました!っていうのであれば、それは政権の都合など関係なく、法の下の平等にのっとって粛々と職務をはたした、ということになるから、そういう人がもし出現したら法相としては「ちゃんと仕事してる」と言えるでしょうが、大昔ならいざしらず現代においてはそんな奴はいない。それはやっぱりみんな死刑はやりたくない、人を殺したくない、と思ってるからでしょ。それは人間として自然な感情なんだから、正直にそう言って「死刑執行命令は出したくない!」って言えばいいのでは?そういう法相がいたら、法相としては失格かもしれないが、政治家としては私は応援したいと思う。故江田五月氏はその意味では立派だった。

いずれにしろ、「死刑は冗談にしていい問題ではない」といいながら、その問題点について真剣に考えて、なんとかしようと働いてるような政治家は見当たらない。どいつもこいつも葉梨とたいして変わらない。死刑に反対、という立場を選挙民にアピールしておきながら法相になったら保身のために死刑を執行しちゃった奴もいましたね。奴らが考えるのは自分の保身と票とカネだけ。もう救いようがない。

 

で、今回の「新・BS日本のうた」は、埼玉県羽生市での開催。

出演は、

小林幸子、大川栄策、細川たかし、島津亜矢、山本譲二、岩本公水、入山アキ子、村木弾、松川未樹、おかゆ。

大御所クラスが揃って豪華でした!

今回の曲目は以下のようになっていました。

 

「俺の出番はきっと来る」・・島津亜矢

「ふるさとの燈台」・・・・・大川栄策

「粋な別れ」・・・・・・・・山本譲二

「みちづれ」・・・・・・・・入山アキ子

「酔いどれ女の流れ歌」・・・おかゆ

「霧にむせぶ夜」・・・・・・村木弾

「思い出なんて消えっちゃえ」・・岩本公水

「長崎の夜はむらさき」・・・松川未樹

「紅い花」・・・・・・・・・小林幸子

「東京の灯をいつまでも」・・細川たかし

「睡蓮」・・・・・・・・山本譲二

「赤いひまわり」・・・・おかゆ

「みちのくひとり旅」・・山本譲二

「雨の永東橋」・・・・・大川栄策

「ひと晩泊めてね」・・・小林幸子

「湯けむり情話」・・・・細川たかし

「人生劇場」・・・・・・島津亜矢

「新妻鏡」・・・・・・・小林幸子

「ほんとにそうなら」・・入山アキ子&松川未樹

「丘を越えて」・・・・・おかゆ&村木弾

「湯の町エレジー」・・・大川栄策

「三日月」・・・・・・・島津亜矢

「夕焼とんび」・・・・・細川たかし

「彼岸花」・・・・・・・岩本公水

「恋人よ」・・・・・・・小林幸子

「一泊二日」・・・・・・入山アキ子

「なごり雨」・・・・・・大川栄策

 

今回はかなり年齢の高い人が集まった感じでしたね。おかゆは初登場なのか。前にも出てなかったっけ。

小林幸子や細川たかしなど、しゃべれば面白い人もいたのに、そのへんの人たちが今回はおとなしくてちょっと物足りなかったかな。淡々と次から次へ歌を歌う構成もいいけど、たまにはギャグやトークも織り交ぜた企画があってもいいなあ。コロナ以前は地元の人とかも出てそういうの多かったのに。

山本譲二は耳の調子はどうなんだろう。とりあえず元気に歌ってくれててなにより。

大川栄策はいつもどおり人間国宝級の哀愁の歌声でよかったし、小林幸子の「恋人よ」も圧倒的個性を発揮しててさすがでした。こういうのを聴けるからこの番組は価値がある。また来週も楽しみに待ちましょう。

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