先日、ブルース・ウィリス主演の映画「RED」とその続編の「REDリターンズ」っていう映画がBS放送で流れてて、たまたま目に入ったので録画して観ました。
引退した元スパイのおじさんやおばさんが活躍するアクション・コメディだそうで、そういう気楽に観られる映画もたまにはいいかなと思って観てたんですけど、まったく中身のない、チリ紙なみに薄っぺらい映画でビックリ。昨今の日本の優男ミュージシャンたちの曲みたいな薄っぺらさ。1作目はまだマシだったけど2作目はほんとひどかった。イ・ビョンホンがやたらカッコよかったというだけ。もともとマンガ原作?らしいし、面白おかしく見る映画と思えばそれでもいいんでしょうけどね。
ここからちょっとネタバレも含んでしまうので知りたくない方は飛ばしてほしいですが、2作目は「世界のパワーバランスを一夜で変える」という核爆弾を奪い合うアクションが中心。それで最後まで観て思ったのが、やっぱりアメリカ人は「核」というものをナメているというか、それほど恐ろしいものだと思ってないというか、それをつかったらどうなるかということを知らないし想像することもないんだな、ということ。
たぶん日本人ならラストをみて「アホか。核をナメるな」という怒りがわいてくる人が多いんじゃないかな。私もそう。これ観たアメリカ人からは「いやいやいやおかしいだろ」っていう声が上がったのか上がらなかったのか知りませんが、あれで「映画完成!公開してカネ取ろ!」ってなるってことは、違和感を持つ人はそんなに多くなかったということでしょう。
ひょっとすると「いやいやエンタメだから。笑うところだから。いちいち目くじら立てんな」ということなのかもしれない。しかし、アメリカがやったこと、これからやることはすべて正しい、と考える多くのアメリカ人、そして今度大統領になるトランプみたいな奴もたぶん、さきの大戦で核をつかったことは正当なこと、いいことをしたと思っているんだろうし、それをつかったらどれだけすさまじいことになるかも理解してないから「アメリカの(自分の)利益のためにやむをえない」と思ったらけっこうかんたんにボタン押しちゃうんじゃないか、と思うととてつもなく恐ろしい。
日本被団協のノーベル平和賞の受賞で核廃絶をもとめる声が世界で盛り上がっていくことを期待しましたが、やっぱりその道はまだまだ長く険しいんだなあ、と痛感。核を戦争につかって何十万人も殺した唯一の国が「反省」なんかしてないうえに正しいことだと思っているようでは・・。そしてこんど大統領になる奴がアレですからねえ。なによりも唯一の被爆国たる日本ですら核兵器禁止条約に批准できない体たらくなのが情けない。
THE SICKENING 「DEATH DEVASTATION DECAY」
ノルウェーのブルータル・デスメタル、THE SICKENINGの1st。2009年作。
Amazon.co.jp Death Devastation Decay
こういう読めないバンドロゴ嫌い。ノルウェーのバンドらしいからそれなりのクオリティは期待できるかな・・・
SUFFOCATIONあたりからの影響を感じさせる激走ブルータル・デスでした。演奏テクニックはかなりスゴイ。ドラムの速さは尋常じゃなく、ブラストに身をゆだねているだけで気持ちいい。どこかで聴いたようなリフが多いけれど、ブルータルデスとしては上質じゃないでしょうか。
スポスポポポポポいうドラムの音がちょっと気になるのが個人的にはマイナス。しかしドラムのバカテクを堪能するためにはこのサウンドが適しているのかも。
おススメ度・・・★★★☆
FLAGSHIP「MAIDEN VOYAGE」
スウェーデンのプログレッシヴハードロック、FLAGSHIPの1st。2005年作。
プログレッシヴなんちゃらと言われると拒絶反応を起こしてしまう私ですが、とりあえず聴いてみなければわからない。テクニックのひけらかし、マスターベーション的作品でなければいいなあ・・
いやいやいやこれは素晴らしい。複雑なところは少なく、わかりやすい歌メロで聴き手の心をゆさぶりにくる。ブ厚いコーラスもイイねえ。KANSASの中心人物だったケリー・リヴグレンが参加していますが、そのKANSASのサウンドを継承してアップデートしたようなサウンド。こういう「プログレ・ハード」なら私も聴ける。
おススメ度・・・★★★★
DEMOLITION TRAIN「UNLEASH THE HORDES」
ギリシャのスピードメタルバンド、DEMOLITION TRAINの1st。2014年作。
ジャケ絵をみればおそらく多くの人が、MOTORHEADの「ORGASMATRON」アルバムを想起するでしょう。するとそういうサウンドなのかな。ストレートに押して押して押しまくる気持ちいいメタルが期待してCDをプレイ。
すると期待通り。MOTORHEADっぽい、いやどちらかというと最初期のMETALLICAみたいなリフがひたすらつっぱしるスピードメタル。そのなかに、たまに2本のギターのハモリがねじ込まれたりする。
↑ライヴ映像のサウンドを聴くとますますMETALLICAっぽく感じられる。ていうかまるっきりそのまんま。
と思っていたらボーナストラックにはそのMETALLICAの「Leper Messiah」のカバーが。本編の作風からすると「なんでこの曲?」としか。「Hit The Lights」とかにしたら本編がそれと同じなのがわかっちゃうからわざと毛色の違う曲にしたんだろうか。
MOTORHEADやNWOBHMからの影響丸出し期のMETALLICAが好きなら買って損はないでしょう!
おススメ度・・・★★★☆