河井克行・元法相が実刑になった2019年参院選の大規模買収事件。東京地検特捜部の検事が買収された側の市議に対し、不起訴をちらつかせて供述を誘導したとされる問題。
新聞はなぜか大騒ぎしているけど、「認めれば帰れるぞ」とか「認めれば執行猶予になるかもよ」とか、「認めないと刑が重くなるぞ」などといって自白するように誘導したり検事が勝手に書いた調書にサインさせるなんてのは、この事件にかぎらずフツーに行われていることなのでは?
そうでなきゃあ起訴されたら有罪率99.9%なんてありえないでしょ。痴漢冤罪なんてのはほぼすべてがこのパターン(認めて示談もできれば不起訴の可能性もあるけど認めなければ起訴され裁判が終わるまで帰れずヘタすれば刑務所送りで人生がパア。そりゃあ仮にやってなくても認めるでしょう)だろうし、なんでこんなことについて大騒ぎしてるんだろう。「今さらなにを・・」という気しかしない。
ひょっとして「河井が有罪になったのは検察の不当な捜査のせい。河井と自民党は悪くない!」っていうふうにしたい奴らの力が働いているんだろうか。御用新聞が自民党に忖度して大騒ぎしてんのかな。
いずれにしろ、あらゆる法律、あらゆる司法制度が犯罪を捜査する側に徹底的に都合のいいようにできているのが問題であって、マスコミはこの件をまるで「こんなことは前代未聞!」みたいに騒いでいかにも「捜査当局はふだんこんなことしません!これは特殊な案件なんです!」みたいにアピールするのはやめろ。どう転んでも河井は有罪だろうけど、密室で取り調べて検察の書いた絵のとおりに事件がつくられ冤罪が生まれるのを防ぐためには、司法制度自体を徹底的に改革しないと。そのへんを国民に啓蒙するのがマスコミの役目じゃないのか。
取り調べの可視化を全事件100%義務にするとか、取り調べ時の弁護士の同席を拒否できないようにするとか、逮捕の段階から国選弁護人をつけられるようにするとか、変えなければならないことは山ほどあるはずなのに、そういうことをマスコミが話題にしないから、司法制度がどれだけ捜査当局に都合のいいようにできているか、多くの国民は知らないし興味もない。その実態を知るのはたいがい、自分や家族が逮捕されたとき。法律も制度もその実態も知らない状態で逮捕されるから、いいように誘導されてしまう。そして冤罪がうまれる。
だから「警察も検察も『こういうもの』だ」ということを国民に知らしめておくことが冤罪を防ぐためには重要なわけで、マスコミはそこに留意して報道するべき。なら、供述の誘導などフツーに行われていることだ、という方向で報じなくてはダメでしょう。
いずれにしろ、こんな奴らが国民を死刑だの懲役だのにしてるってことに恐怖をおぼえなくてはならない。いちど「あいつがホンボシ」と奴らに決められたらもう絶対に逃げることはできないようになっているのが日本の司法制度。それは袴田さんの事件をはじめとして数々の冤罪事件によって明らかにされている。電車の中でナイフ振り回す狂人も怖いのは間違いないけどそれよりも怖いのはウソをつき暴走する権力のほうである、と国民みんなが認識すれば、司法制度も改革できるかもしれない。
POWER QUEST「MASTER OF ILLUSION」
イギリスのパワーメタルバンド、POWER QUESTの4作目。2008年作。
このバンドは聴いたことあったっけ。こういう似たような名前が多いバンド名はやめてほしい。もともとDRAGONFORCE(の前身バンド)のメンバーだった人が「もっとメロディックなのをやりたい」と結成したバンドらしい。
トップの曲のイントロがモロに(私が大嫌いな)CHILDREN OF BODOMみたいで「あ、もう聴くのやめよう」と思ったものの、基本は歌メロを大事にするメロディック・メタルで、曲のデキはかなりいい線いってる。メロハー風味の「Human Machine」がいちばん気に入りました!HELLOWEENみたいな曲もあったり、バラエティ豊かな作品になっていますが、なにしろ歌メロに印象的なものが多い。たまに出しゃばってくるキーボードがウザいけれども、DRAGONFORCEよりは繰り返し聴く気になる良いデキ。買う価値は充分ありますね。
おススメ度・・・★★★☆
THRONE OF KATARSIS「VED GRAVEN」
ノルウェーのプリミティヴ・ブラックメタルバンド、THRONE OF KATARSISの3作目。2011年作。
このバンドは前にも何度か紹介。
またほかの作品も買って聴いたのは、もちろんけっこう気に入ってるから。今作も変わることなく、ひたすら陰鬱なプリミティヴ・ブラックを聴かせてくれてます!
今作は7曲入りで、短い曲は5分とかで、わりとコンパクトにまとまってる印象です。やはりBATHORYっぽさが色濃く感じられるところが多い。
死にたいとか思っちゃったときに聴くとほんとうに死を選んじゃうかもしれないから危険!っていうくらいの暗黒のサウンド。その意味でもこの手のサウンドのマニアにしかおススメできませんが、そのテのやつを体験してみたいんだけど!という初心者にどのバンドをススメるか、となったら、このバンドは当然選択肢に入ってくるでしょう!
おススメ度・・・★★★☆
FACEBREAKER「DEDICATED TO THE FLESH」
スウェーデンのデスラッシュバンド、FACEBREAKERの4thフル。2013年作。
Amazon.co.jp Dedicated to the Flesh
バンド名からしてCANNIBAL CORPSEみたいなサウンドを予想しましたが全然違った。ENTOMBEDあたりを想起させるデスラッシュ!
ヴォーカルはすさまじいキタナさのデス声だけど、そのラインは「全部同じ」に聞こえないように工夫されているのが感じられるし、リフはカッコいいし、これはかなりのハイクオリティ。ズドズドズド~っていうスラッシュ・ビートになる頻度は少なく、それだけにスピードにのったときの破壊力が印象に残る!3~4分のシンプルな曲でかためられているのも好感!メタルは小難しいことしなくていいんだよなあ。
聴き終わると心地よい疲労に襲われる、なかなかの快作!ほかの作品もチェックすることにしましょう。今は活動してないのかな。
おススメ度・・・★★★☆