いまBS日テレで時代劇「松平右近事件帳」を再放送してるんですよ。主演は里見浩太朗。見たことなかったので毎日録画して見ているんです。時代劇大好きなもんで。
里見浩太朗演じる「松平右近」が徳川十一代将軍家斉公の実弟でありつつその身分を隠して市井に身を置き悪を成敗する、っていう筋立て。時代劇によくありがちな、水戸黄門に代表されるようなお上の威光を背景にしたパワーにものをいわせて事件を解決するっていうのが好きでない私としては、「実は将軍の弟」っていう設定はちょっと嫌なんですが、劇中ではいちおう三つ葉葵を見せるシーンはあってもそれによって悪を平伏させるっていう描写はなくて結局暴力で成敗しちゃうのでけっこう好き。クライマックスのバトルでは「俺あ殺生は嫌いだ!」と言いながら峰打ちではなく全員叩き斬っちゃう矛盾が時代劇らしくてステキ。右近の密偵として働く「よろずや清太郎」役の故松山英太郎の演技もカッコいいし、アイキャッチやエンディング中に挿入される人形の演技も味があって好き。
で、この時代劇のさらにスゴイところはOP曲やED曲に代表される、楽曲の素晴らしさ。とくに里見浩太朗の歌うEDテーマ「流れ坂」はカッコよすぎてブッ倒れるレベル。まさにむせび泣くような里見の独特の声質と歌唱にばっちりハマった哀愁曲。入手可能な音源はないのか!と探したら、それが収録された全曲集みたいなのはいちおうCDになっているものの、中古市場では高くて手が出ない。7インチアナログレコードならもっと安く買えるみたいだけどCDが欲しいなあ。こんな素晴らしい曲を入手困難なままにしておく日本クラウンはバカ。
いずれにしろ曲を聴くためだけでも見る価値はある時代劇!
BELPHEGOR「THE DEVILS」
オーストリアのブラック/デスメタルバンド、BELPHEGORの最新作!12作目。
もはや説明不要、一聴してソレとわかる唯一無二の世界をつくりあげているバンド。絶対に裏切られることはない、とわかりきっているから安心して買えるし聴ける。どうせカッコいいんだろ・・・と思いつつ聴いたらやっぱりいつもどおりカッコよかった。
↑「なんだかよくわかんないけどとにかくヤバい」としか言いようがないMVはさすがのデキ。映画「エクソシスト」を彷彿とさせるブリッジをみせたりする女優さんのやせ具合はガチなのか特殊メイクなのかちょっと心配になる。
さすがだ。ヴォーカルはほぼひたすら喚いてるだけなのに「同じ曲ばっか」とはまったく感じさせない。そしてこの、サウンドからたちこめる邪悪さと荘厳さ。ここらへんが一流たるところなんだなあ。個人的には、コロナ禍における「ビジネス詐欺」を取り扱ったという2曲目や、まるっきり(ヴァイキングメタルのころの)BATHORYみたいな5曲目が最も気に入りましたが、BELPHEGORはもはやデスだのブラックだのというカテゴライズを飛び越えた存在になった、と認識させられるスゴイアルバム!
おススメ度・・・★★★★☆
ZERO FIGHTER「ZERO HOUR」
もういっちょ高品質作品を。日本の正統派ヘヴィ・メタルバンド、ZERO FIGHTERの1st。2018年作。
Amazon.co.jp ZERO HOUR (ゼロ・アワー)
予備知識なしでCDを購入。そのときには「ジャパンの戦闘機ゼロ・ファイター(ゼロ戦)から名前もらえばサムライっぽくてクールじゃね?」という動機からバンド名をつけたアメリカあたりのバンドだと思ってたんですが全然違った。一聴して「おお~!イイね!」と感激した後にライナーノーツを見て初めて日本のバンドだと知りましたが、それっぽい雰囲気は皆無。言われなければわかりませんね。ちなみにバンド名はゼロ戦からではなく「2000年に結成したから」らしい。
これがとんでもなく素晴らしい。めちゃめちゃカッコいいじゃないか。
ヴォーカルは故アンドレ・マトスみたいな雄々しいハイトーンで、流麗で勇壮な歌メロを歌い上げてくれちゃう。IRON MAIDENやJUDAS PRIEST、ACCEPTあたりを彷彿とさせる、徹底的に硬派、漢気あふれるトラディショナルなヘヴィメタルの洪水。
まさにACCEPTみたいな汗臭いコーラスが入る「The March In Snow」なんかはライヴで盛り上がりそうな劇的さだし、哀愁あふれるサビが印象的な8曲目「Water Burial」はもはや名曲というレベル。こういう曲を聴くと、メタルでしか味わえない何とも表現しがたい感動につつまれる。やっぱメタルって最高だな!
こんな素晴らしい作品がメジャーレーベルから出てないってんだから、日本の音楽シーンはなにかが狂ってる。ピュアメタルファンはなにがなんでも買っておくべきな快作!
おススメ度・・・★★★★☆
BURNING THE MASSES「MIND CONTROL」
USのテクニカル・プログレッシヴ・デスコアバンド(だそうです)、BURNING THE MASSESの2008年作。2枚目?
安く手に入れたCDの山に入ってて、1ミリも期待しないで聴いてみたら、
私の大嫌いな、テキトー思いつきリフにテキトーデス声ヴォーカル、そこへテキトーブラストビート、それが全編続く、全部同じ曲っていうゴミ並みの作品でした。期待してなかったからべつにガッカリはしなかったけれど、メンバーはよくまあ曲が覚えられるよね。この手のバンドを聴いて感心するのはそこだけ。
演奏できるかはともかくとしても、こんな曲は誰でも思いつくでしょ。資源の無駄だからこういうバンドはCDなんかつくらないで配信だけで売って(これでカネとろうってのもあまりに甘すぎると思いますけどね)ほしい。
おススメ度・・・★