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山本譲二のデビュー50周年記念曲第一弾「妻よ...ありがとう」を聴いた

デビュー50周年をむかえる演歌歌手・山本譲二の「山本譲二メタル化計画」。

ここでは触れたことはありませんでしたが、メタル風のTシャツをつくってみたり、「みちのく忘れ雪」のイントロのためにメタル風のソロを「弾いてみた」コンテストをやったりとか、おもしろいことをやってくれていましたね。

↑ピロピロいうバカテクを披露してドヤア、みたいな大会になってたら嫌だなあ、と思ってたらそうでもなかった。そんなふうに感じられるものもあるにはあったけど、みんなカッコいい。グランプリの人のソロは今風のテクを交えつつも身をよじりたくなるようなエモーションがあふれててスゴイ!

その「みちのく忘れ雪」、歌メロのほうはさらに素晴らしかった。人生というドラマの深淵さを感じさせる曲展開は弦哲也先生のテイストにあふれてて、このへんはさすがとしか言いようがない。

 

で、こんど「デビュー50周年記念曲第一弾」として出た新曲が、同じくらい、いやそれ以上くらいに感動的な曲だったので、メタル化計画云々以前にここに書いておかなくては、ということで今回はその感想。

ボーナスとしてメタル曲を収録したオトク盤!

表題曲は「妻よ...ありがとう」。カップリングが「恋しき孫よ」で、両方とも作詞作曲は吉幾三、っていう時点でもう期待しかないですねえ。真田ナオキの「246」といい、その天才コンポーザーぶりが最近は今までにもまして冴えまくっていますからね。

Amazon.co.jp 妻よ…ありがとう

それを歌うのが、夫婦演歌の名曲を山ほどもっている山本譲二だってんだから、カッコよくならないはずがない。

 

う~ん、いいなあ。彼の夫婦演歌のなかで私のいちばん好きなのはやっぱり弦哲也先生作曲の「花も嵐も」なんですけど、こちらは演歌色は薄く吉幾三テイストがにじみ出ている曲で、弦哲也先生の曲とはまた違った味わい。こりゃあ奥さんを目の前にしてカラオケで歌ったら奥さんの涙腺崩壊間違いなしじゃないですか? 連れ添った時間がながければながいほど、「波乱万丈」な人生をあゆんだご夫婦であればあるほど、味わい深く聴ける曲でしょう! YOU TUBEには山本譲二本人が奥さんと手をつないで歌ってるショート動画があがってましたが、これはもうカッコよすぎて見てるほうが泣いちゃう。

https://youtube.com/shorts/Lcg6A5hBQqw?si=d9fTI4UH9u4d7bla

カップリングの「恋しき孫よ」も演歌色はなし。孫をみつめながらその将来に想いをはせる、やさしいおじいちゃんの心情がえがかれた、心地よいメロディの曲。こちらもいいですね。

個人的には「メタルに接近した演歌」をやってほしい

で、メタル好きとしては注目すべき、「山本譲二メタル化計画」によってつくられたメタル曲は、ボーナストラックの「言論の自由」。吉幾三も一緒に歌ってます!

 

これが想像してたより思いっきりヘヴィメタルそのものになっててちょっとビックリ。じつは、メタルを知らない人が「メタルってこういうのだろ?」みたいな先入観でつくりました、的なものになってるんじゃないか、とちょっとだけ心配してたんです。すみませんでしたと謝るしかない。

作詞作曲が「IKZO」ってなってるからこれは吉幾三ってことですね。それをメタルアレンジしたのがHATTALICAで、先述の「みちのく忘れ雪」のコンテストでグランプリの長谷川太一氏がギターソロで参加、ということらしい。

これはカッコいい。中間部の「俺はメタルに生きる」のバックのフレーズは、もしライヴで聴いてたら大声でシンガロングしたくなりますなあ。どうせなら泣きの長尺ギターソロをそこかラストかで入れてほしかった気もする。4分にまとめなければならなかった理由でもあるんだろうか。あくまでも山本譲二が主役であってギターの自己主張は控えめにしたってことかな。それはともかく、ラストでせき込むところには爆笑しちゃったし、ギターソロが短くても聴きどころ満載の曲。

この3曲で1,500円はお買い得。演歌ファンもメタルファンもぜひとも買っておくべきでしょう!

 

「メタル化計画」はこれで終わりなのかな? いちファンとして個人的な希望を言わせてもらえば、「メタル」をやるのもいいけど、「演歌」をメタルアレンジしてくれたほうが嬉しい。

メタルと演歌って共通点が多いですしね。だから私もメタルと演歌をいっしょくたにしてここに書いている。演歌にメタル風の演奏やリフをアレンジしてくれればそれでふつうにメタルになる。

私も大好きで何百回も聴いた吉幾三の「酒よ...追伸」なんかは、ラウドなギターリフがあったりするわけじゃないのに、ドラマティックな曲展開はメタルそのものだと私は感じる。


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演歌を聴いてるとそういうふうに「ここで泣きのギターソロが切り込んできたら完全にメタルでカッコいいのに!」とか「ここはバックにディストーションの効いたヘヴィなリフがあったらさらにイイのに!」とか思うことはしょっちゅうある。演歌にそういったメタル色を導入してくれれば私はそれがいちばん嬉しいなあ。いままでにもそういうことをやった人がいなかったわけじゃないけど、演歌がメタルに接近するというムーヴメント自体が起こってくれてもいい気がする。

まあそんなことしてもセールスにつながらないだろうからダメなのかな。いまどきはギターソロをとばして聴くなんていう人もいるらしいですからね。配信で聴かれるためにはどうすればいいか?を考えたら、バックの演奏やギターソロに凝ってる手間はもったいないという話になるわけか。

 

それはともかく、「妻よ...ありがとう」がとにかく感動的な曲なので、演歌に興味のない方もこのCDは買っておくことをおススメしておきます!

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