読売新聞朝刊の連載4コマ漫画「コボちゃん」の作者である植田まさし先生が、「体調不良」による9か月あまりの休養から復帰、3月1日から「コボちゃん」の連載を再開されました。いやあ嬉しい。
「体調不良」がいったいどんな容体なのか、全然報じられないから心配していましたが、先日「前立腺がん」と公表されていました。
前立腺がんは男性では2番目に多いがんだそうで、私の亡父も70代のころに血液検査で判明し、注射と飲み薬の治療でよくなったのですが、前立腺がんにもそれほどおっかなくないのとそうでないのがあるらしく、早く発見できたかそうでないかにもよってその恐ろしさはだいぶ違ってくるようです。復帰されたということは植田先生もだいぶよくなられたということなのかな。
休載中は「傑作選」が掲載されてて、思わず声が漏れるくらい笑っちゃうのばっかりで、あらためて「さすがだ」と唸るしかなかった。このクオリティのものを毎日ひとつ以上、何十年も書き続けてきたってだけでまさにレジェンド級の天才。読売みたいな「ザ・御用新聞」にはカネを払う価値はまったくない(御用新聞がどんな政府ヨイショ記事を書いてるのか知っておくことも必要だからいちおうとっている)し、社説なんか唖然とするくらいアホなものも多いけど、植田先生の復帰をちゃんと待ったっていうことだけは評価してあげよう。
そういえば私が学生のころ(80年代末~90年代初頭)に愛読していた、竹書房などが発行していたファミリー向け4コマ誌、もう軒並み休刊しているんですね。知らなかった。「まんがくらぶ」や「まんがライフ」など、月に十冊くらいは買ってました。「オバタリアン」「執念の刑事」「かしましハウス」とかが好きでした。植田先生の「フリテンくん」ももちろん大好きで読み漁ってましたが、この系統の漫画はいまどき流行らないんですかね。私などはガキの時も楽しく読めたし、オッサンになって読み返してもまた違った味わいを感じて楽しめちゃう。植田先生の漫画にはそういう普遍的な面白さがあふれていますね。
音楽も同じだと思うんですけど、そんなふうに子どもから大人まで一生味わえるものを創造できる人こそが一流というものなのであり、植田先生はまさにそれ。お体を大事にいつまでも頑張っていただきたい。
丘みどり「椿姫咲いた」
先日発売されたばかりの丘みどりの新曲。
いつもの新曲はだいたい彼女のラジオ番組で先行して聴いていましたが、ラジオ終わっちゃいましたから今回はCDが到着してから、予備知識なしで聴きました。
イントロに挿入されるフレーズはこれなんだっけ・・・ヴェルディの歌劇「椿姫」の「乾杯の歌」か。そこから「死にたい・・・」などという衝撃的な歌詞を含む重々しい導入部を経て、アップテンポになり盛り上がっていくドラマティック曲でした。
PVの美しさはさすが丘みどりといったところだし、歌唱そのものもいつもどおり、独特の湿り気をおびた力強いものを聴かせてくれてて、そのへんに関しては文句ナシ。しかし歌メロ自体は一聴してカッコよさにひっくり返っちゃうようなものは感じなかったかなあ~と。演歌色がもう少し濃いカップリング曲「さだめ燃ゆ」のほうが気に入りました。
まああの超カッコいい「雪陽炎」も最初はイマイチと思ってましたから、聴きこんでいくうちに「すげえ!」っていうふうに変わるかもしれませんが、そう考えると毎週レギュラーでやるようなラジオ番組って重要なんですね。毎週ラジオ聴いてれば毎週その曲を聴くことになり、否が応でも聴き込んでいくことになりますから。そしてリスナーが毎週聴きたいと思うようなトーク力も重要になるわけか。丘みどりの場合はそのへんは完璧なんだから、子育てがひと段落してからでいいから、ぜひまたレギュラー番組をやってもらいたい。
おススメ度・・・★★★☆
ANKOR「MY OWN ANGEL」
スペインのハード・ロックバンド、ANKORの2作目。2011年。
アイドルっぽい声で歌唱する女性ヴォーカルを中心とする6人組。1曲目が安っぽいメタルコア然とした男のスクリームが入る曲でその時点で聴く気が失せましたが、我慢して聴くとそうでない曲もあって、まあまあ悪くない。↓
女性ヴォーカルがじゅうぶん魅力的なんだから、男がギャア~って叫ぶのとかいらないだろ、という気しかしませんね。曲自体が軽いのに重さを出そうとしてギャアギャア喚いてみたりすると逆にさらに軽く聴こえるんだよなあ。
ギターソロなんかは聴かせるものがいっぱいあって、歌メロにもっとキャッチーなものがあれば愛聴したかも、と思うと安っぽいスクリームを入れたりしてるがほんと惜しい。
おススメ度・・・★★★
EVERON「PARADOXES」
ドイツのプログレッシヴ・ハードロックバンド、EVERONの1st。1993年作。
プログレッシヴなんちゃらっていう系統のものはあまり好きでない私。たまたま偶然手に入ったから聴いてみただけでしたが・・・
たしかにいわゆるプログレッシヴな要素満載のハード・ロックではあるけれど、「オレたちこんなすごいことができるんだぜ!」という嫌味は感じない、さわやかで割とわかりやすいサウンド。RUSHとかSAGAみたいといえばいいか。
しかし、曲がゴテゴテしてないっていうのはいいとしても、歌メロはとくにこれといって印象的なものはない。ところどころ音程も危ないし。ギターソロが入ってくるとカッコよくなるんだけどなあ。ほかの作品を聴いてみることにしましょう。
おススメ度・・・★★★☆