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変わらず古臭いままなのが魅力的。SATAN「CRUEL MAGIC」が期待を裏切らない素晴らしいデキ。

すでに9月に国内発売されているもので

ちょっとタイミング的には遅いですけど、

メタル系の新譜の感想をひとつ。

 

80年代からメンバーチェンジや改名や解散などの紆余曲折を経ながらも現在も活動している、

ブリティシュ・ヘヴィ・メタルバンド、SATANの新作「CRUEL MAGIC」。

ジメッとしたメロディとヴォーカルが最高

SATANのこれまでの歴史をここで紹介するとたいへんなので、

ご存知でない方はSPIRITUAL BEASTのアーティスト紹介ページ

が詳しいので見ていただくとして、

高校生のころに名作との誉れ高い1stアルバム「COURT IN THE ACT」をはじめて聴いて以来

私の大好きなバンドです。

90年くらいにいちど解散したものの、2011年に1stアルバムのメンバー構成で再結成され、

その再結成から3枚目のアルバムがこの新作、「CRUEL MAGIC」。

amazon.co.jp CRUEL MAGIC

前作「ATOM BY ATOM」、その前の「LIFE SENTENCE」と同様、

ドラマティックでスピーディな演奏に、

ブライアン・ロスの陰鬱でジメジメと湿ったヴォーカルが

憂いを帯びた歌メロをのせるというスタイル。

前作、前々作と方向性や雰囲気はまったく同じ。

なので目新しさはまったく感じないけれども、

彼らのファンは変化など求めていなくて、

昔と同じ徹底的に正統派のブリティッシュ・ヘヴィ・メタルを

やり続けてほしいと思っている、ということを彼らはよくわかってらっしゃる。

新しいことをやる必要などない。

ひたすらにこの路線を続けてほしい。

 

しかし・・・

メタル界にすばらしく魅力的な声のヴォーカリストは多いけれど、

このブライアン・ロスの声はほんとうに悪魔的な魅力がありますね。

この声で「eternity」とか「magic」とかいう単語を発せられると、

なにかこうほんとうにマジカルでミラクルな、

不思議なものを感じさせられる気がします。

ANGEL WITCHの2ndと3rdアルバムで歌っていた人(名前を忘れた)

もこんな感じの雰囲気でしたね。そちらも名作なので、

いつか記事にしてみたい。

PARIAH名義の「THE KINDRED」がいちばん好き

ちなみに彼らはSATAN名義で5枚、BLIND FURY名義で1枚、PARIAH名義で2枚のアルバムを

出していますが、

私が最も好きで聴き込んでいたのは

PARIAHの「THE KINDRED」。

ほかの作品よりも若干スラッシュ・メタル寄りのサウンド。

速くてアグレッシヴでドラマティック・・・というのがたまらなかった。

ここで歌っていたのはマイケル・ジャクソンという人で、

もちろんあのマイケル・ジャクソンとは同名異人。

この人もカッコいい声でした。

湿り気、という面ではブライアン・ロスに軍配があがりそうですが、

よりメタルっぽいアグレッシヴさという点ではマイケルのほうが上回ってますね。

 

ともかく、速くてアグレッシヴなんだけど湿り気と憂いを帯びている、

この音世界はSATAN独特のもので、

ほかのバンドではなかなか味わえないと思うので、

ブリティッシュ・パワー・メタルが好みの方は

絶対に買っておくべき。おすすめしておきます!

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