きたる12月のJUDAS PRIEST来日を記念して、最新作「INVINCIBLE SHIELD」の日本版カセットテープが発売されるらしいですよ。
海外ではすでに売られていたようですが、きけば彼らの作品のカセットテープ日本版が出るのは、1988年の「RAM IT DOWN」以来らしい。
私はいちおうカセットテープを再生できるデバイスをいくつか持っていますが、さすがに日常で使うことはない。なので「いったい誰が買うんだろう・・」という気しかしないんですが、大好きなバンドのものならなんでもとりあえず持っておきたいという人も当然いますしね、メタル系の昔のカセットテープは現在においては希少で入手困難なものが多いですから、買っておけばちょっとした財産にもなるでしょう。聴くためにカセットを買う、という方は少数派でしょうね。
私が中学生のころに貸レコードで借りたものをダビングしたカセットテープ、ごく一部だけ生き残っていまだ所有しています。ものすごく聴きまくったものはやはり劣化により聴けなくなって処分してしまいましたが、あまり聴かなかったものはまだまだ普通に聴ける状態。寿命が短そうに思えますが、それなりにきちんと管理すればじつは光学ディスクよりも長持ちする?のかも。
そしてふつうのCDプレイヤーでは不可能な、曲の途中から聴く、途中だけ聴く、ということが、ほとんどのプレイヤーで可能であるというのもカセットテープの利点。もちろんデジタル音源のほうがかさばらないし物理的な劣化も(バックアップを繰り返していれば)心配しなくていいわけですが、デジタル音源って整理しておくのも再生するのけっこう面倒くさいんですよねえ。そう思うのは私だけ?
YOU TUBE MUSICに数万曲アップロードしてあって、それだけの曲をカセットで保管していたらたいへんなことになっちゃうけれど、YOU TUBE MUSICでいざ「あの曲をさがそう」と思っても検索がクソすぎてなかなか見つけられなかったりで、ビックリするくらい使えない。まあタダで使ってるから文句いってはダメ、というのはわかるとしても、そのへんを考慮するとデジタルで保管しておくのもフィジカルで持っておくのも、トータルとしてかかる手間はそんなに変わらない気がする。で、「所有している」という満足感はフィジカルでもっておくほうが高いから、するとやっぱり私はデジタルで買うという行為は選ぶ気にならなくなる。そう考えると、カセットテープを買おうという人が絶滅することはないんでしょうね。
SOLEMNITY「REIGN IN HELL」
ドイツのヘヴィ・メタルバンド、SOLEMNITYの1st。2002年作。
ストロングかつエピカルなイメージのジャケ絵をみて即購入。 当然「そういう」サウンドを期待してCDをプレイ!
そしたらこれが期待通りで、これでもかというくらいコテコテの、男臭いパワーメタル。もう聴いてて笑いがこみあげてくるくらい。それと同時に「イイね!」「素晴らしい!」と鳥肌がたつ感覚も襲ってきます!
ヴォーカルはカイ・ハンセンみたいな、イイ感じにダーティな爬虫類系の声で、これがじつにいい味。たまにもっと湿った違う感じの声が混じってくるがこれは違う人がやってる? と思ったけどどうやらひとりが使い分けている模様。この手のバンドはヴォーカルの魅力で左右されるところが多いけれど、その意味でこのバンドは恵まれている。歌メロにはOMENっぽいと感じるところもあるかな。ラストの曲はHELLOWEENみたい。
そして、オールドスクールなリフと勇壮な歌メロにからんでくる、汗臭く雄々しくブ厚いコーラスも最高。凝ったSEなどは使わずどこまでもヘヴィメタルサウンドを貫いているのもイイ!暑苦しいメタルが好きなら是非!
文句をひとつだけ。CDはパソコンで再生すると66トラックが入ってて、本編は8曲までで、あとは65までが無音、66曲目によくわからないおふざけ曲がシークレットとして入っていたんですが、いやいやこんなもんいらないから。現地の人は楽しめるんだろうか。
おススメ度・・・★★★★
RITUAL SPIRIT「RITUAL SPIRIT」
ドイツのヘヴィ・メタルバンド、RITUAL SPIRITの1st。2000年作。
アルバムはこれのみ?活動してない? ちょっと情報が見つからないのでわからない。ていうかさがしても情報がほとんどヒットしない。
しかしまあCD音源こそが最大の情報であるのでとくに問題ではない。そのサウンドはどうだったかというと、なかなかいい感じに湿った正統派ヘヴィ・メタルとなっていました。
このバンドもヴォーカルがいい味。STORMWITCHのあの人みたいな湿り気と、適度なヘタさ加減がじつにいい。音楽性もそのへんに近い感じで、ダークでドラマティック、かつアツい情熱的なメタルが展開されている。
アルバム1枚だけ?で終わってる?ようなのがじつに残念。いい作品でも売れるとは限らないし、どうしようもないものでも売れたりするってのが世の常とはいえもったいない。
おススメ度・・・★★★☆
OPERA Ⅸ「MALEVENTUM」
イタリアのシンフォニック・ブラックメタルバンド、OPERA Ⅸの4作目。2002年作。
けっこうなベテランらしいですが私は初めて。しかも、シンフォニックなんちゃら~という私の好きでない呼称で語られていて、どうせ・・・という感じでまったく期待しないで聴きました。
ゴリゴリだったころのHELLOWEENというか、IRON MAIDENというかOMENというか、そんなふうな1曲目のリフを聴いて「オっ!」となり、そのまま最後まで聴かされました。なかなかいいじゃないか。「シンフォニック・ブラック」であることは間違いないとしても、たしかな独自性が感じられる。ヴォーカルはCRADLE OF FILTHみたいな絶叫系だけど、たまにクリーン・ボイスがからんできて、キャッチーなサビを聴かせたりする。シンフォニック要素は控えめ、しかしわりと効果的に、ドラマ性をたかめるために使われているように思える。もともとゴシックメタルだったらしいので、そのころの名残ということなのか。
やたらと曲が長くてダレる曲もなくはないけれど、ほかの作品も聴いてみようという気にさせるバンド。またみつけたら買って聴いてみましょう。
おススメ度・・・★★★☆