先日とある用事で静岡県東部方面に出かけたので、ついでに前から行ってみたいと思っていた「沼津港深海水族館」へ行ってきました。
深海生物ってある種この世のものとは思えない独特さをもってるのが興味深い。昆虫も同じ独特さをもってますが、あまりに身近にいてときに害も与えてくれる昆虫は「同じ世界に生きてる」って感じなので、深海という暗黒の別世界に生きふつうには見ることも触れることもできない深海生物とはちょっと異なる。図鑑とかは持っていたんですけどね、実物を見る機会はこれまでになかった。そもそも飼育が難しいらしいし。この水族館の目玉であるシーラカンスはさすがに冷凍標本と剥製でしたが、それすらも超絶貴重であるらしい。ぜひとも見てみたいと思っていたのです。
まだ夏休み前の平日でわりとゆっくり見ることができてよかった。初めて見たシーラカンスにも感動しましたが、個人的にはやたらかわいいチンアナゴ(飼いたい)、オバケじみたデカさのタカアシガニ(私は食べ物としてはカニ嫌いなんですけど、これを食おうと最初に考えた人はほんとスゴイと思う。どう見ても食えそうにない)、ひたすらジッとしているダイオウグソクムシなどが、いくら眺めていても飽きずに楽しめました。
↑ひたすら動かず「ただそこにいる」だけのダイオウグソクムシ。ほんとうはつくりものなのでは・・と疑っちゃうくらい。動くところも見てみたかった。真っ暗な海底でたいしてものも食わずひたすらジッとしているのはいったいどういう心境なんだろう、と想像をかきたてられる。彼らに「心」というものはないとされているけど、ほんとうにそうなのかなあ~。命の危険を感じたりしたらサササ~ってっすばやく動いたりするんだろうか。うちの庭の土の中にはダンゴムシが無数にいるけど、こんなのがいたらもう気絶しますね。写真ではわかりにくいけどたぶん大人の男のカオよりも大きい。
ともかく、ダイオウグソクムシやアブラボウズのように泰然自若と構えて微動だにしない心の静かさを持ちたいと思う今日この頃。入場料1,800円のわりには展示物が少ないという気もしましたが、展示物の貴重さを考えれば妥当な価格でしょう。近くに行く用事があればぜひ寄ってみることをお勧めしておきます。そばにお子さん向け(?)のアトラクションなんかもありましたね。
STORMWITCH「DANCE WITH THE WITCHES」
ドイツの超ベテランヘヴィ・メタルバンド、STORMWITCHの9作目。90年代にいちど解散した後の再結成後最初の作品。2002年作。
オリジナルメンバーはヴォーカリストだけ。初期の作品は大好きですがそれ以外はそうでもないバンド。中古盤が安く手に入ることがなかったのでこれまで聴けなかったのですが、ようやく聴けました。
Amazon.co.jp Dances With Witches
1曲目のイントロで、かの名作「TALES OF TERROR」を彷彿とさせるブ厚いコーラスが出てきたのでちょっと期待しちゃったんですけど、そこから出てきたのがスローでけだるいリフであれあれ~ってなってしまった。やっぱりダメなのか・・・
と思ったら、ほかの曲はそんなに悪くなかった。ていうかこれはなかなかいいですね。初期のようなIRON MAIDEN調のツイン・リードが出てくるようなことはない(ちょっとギターの自己主張がうるさいなあ。勇壮なメロディを聴かせてほしいのに「こんなこともできます!」みたいに気持ちよく弾きまくってるだけに感じる)けど、雄々しくミステリアスな歌メロが随所に出てきて胸に迫ってくる。妙にポップな曲もとくにないし、ファンが彼らに求める「らしさ」をきちんと備えた作品と言えるでしょう。中古市場ではなかなか入手困難で、あっても高いみたい。そこまでのおカネを出して買うべきかっていうとちょっと困るけど、そこそこ安ければぜひ買っておくべき、っていうくらいかな。
おススメ度・・・★★★☆
GOD DETHRONED「RAVENOUS」
オランダのデスラッシュバンド、GOD DETHRONEDの4作目。2001年作。
けっこうなベテランバンドですがなぜかこれまで聴く機会がなかった。サタニックかつB級臭のただようジャケ絵がそそります。思いっきりカスかめちゃめちゃカッコいいかのどっちかじゃないかな・・・
これはものの見事に後者のほうでした。基本的には超速スラッシュ・ビートで突っ走るスタイルながら、随所にメロディを聴かせるパートを効果的にぶち込んでくれてる。これまで聴かずにいたのがすごくもったいない。オールドスクールなスラッシュ・リフがひたすらカッコいい。おそらくものすごく影響を受けているんであろうことが曲からわかる、あのDEATHの初期の名曲「Evil Dead」のカバーをラストに収録。ブラスト・ビートを効果的につかったアレンジは超クール!気持ちよくヘドバンしたいときに重宝する作品!
おススメ度・・・★★★★
DUNGEON「A RISE TO POWER」
オーストラリアのメロディック・パワーメタルバンド、DUNGEONの3作目。2002年作。
このバンドは1作目(実質はデモ音源集)の「DEMOLITION」だけ聴いたことがあります。このアルバムと同様のどうしようもなくチープなジャケ絵が印象的でしたが、曲は悪くないけど音がなあ~という感じだったのを覚えています。そこから6年ほどのちのこのアルバム、どんな進化を遂げているのか・・とちょっとだけ期待。
2分超えのイントロに続いて聴こえてきたのは、ネオクラシカルメタルっぽいリフが疾走するメロパワ。ヴォーカルがときにマイケル・キスクっぽかったりするのでHELLOWEENみたいっていう印象が強いかな。たまにスラッシュ・メタルみたいなリフで突っ走る曲もあったり、曲のバラエティはなかなか豊か・・・
なんですけど、せっかく歌えるヴォーカリストがいるのに、耳に残るフックのある歌メロはあんまりなかったかな~という気がする。ラストにQUEENSRYCHEの名曲「Queen Of The Reich」が入ってて、ヴォーカルはかなり完璧に原曲に忠実に歌いこなしているので、これだけ声が出る人ならもっとダイナミックな歌メロの曲が欲しいなあ~という気が。歌メロの印象が薄いから全体的な印象も薄い。
おススメ度・・・★★★