広島県でフェラーリが制限速度を大幅に超えて交差点に進入し右折中の対向車に衝突し小学生の女児が死亡したという事件で自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷」に問われた広島県の医師(37)に対し、執行猶予つきの有罪判決が言い渡されたというニュースをみました。
→読売新聞オンライン 37歳医師フェラーリ暴走、9歳死亡事故…「最高速度の2倍以上で走行した過失は大きい」有罪判決
わざわざ「フェラーリ」などと車種を言うところに「カネをもてあました若造の医者が遊び惚けて暴走!」みたいなイメージを与えようという作為を感じるけれど、まあそんなところなんじゃないか、と想像できますね。右折車のほうはそんなものすごいスピード(50キロ制限のところで120キロ)で突っ込んでくると思ってなかったんでしょう。
それにしても、なぜ「37歳の医師」というだけで、実名を報道しないのか。いや私は(公判請求されないかぎり)実名報道はするべきでないという立場ですが、マスコミの奴らは名もないふつうの高齢者がアクセルとブレーキを踏み間違えただけで実名で報道しやがるくせに、制限速度オーバーで死亡事故起こしたクソガキ医者の名前は伏せるのか。まあ判決が出ているんだから知りたければ自分で調べればいいんですけど、私の地域の地方新聞などは高齢者がおにぎり万引きしたとかいうニュースを容疑者の段階でいちいち実名で報道しているのに、この危険運転で人を死なせた奴が匿名。なにかおかしい気がする。いったいなにを根拠にして実名報道したりしなかったりするのか。
フェラーリで一般道を120キロで走るような奴ならもし再度免許取ったりしたらまたやる可能性もけっこうあるだろうし、(実名を出すとするなら)どう考えてもそれが必要なのはスピード違反野郎のほうでしょう。鉄砲もって逃げてる凶悪犯だとか指名手配犯だとかいうならともかく、はっきりいってほとんどの犯罪報道においては実名報道など必要ない。今回の医者の名前はどうでもいいけれど、それならほかの件も実名報道は控えるべきじゃないか。
それにしても、アクセルとブレーキ踏み間違えて人殺しになって実刑をくらう人もいるのに、この医者は危険運転をして子どもを死なせて執行猶予つき。おかしいんじゃないか。検察は控訴しないのか? 「踏み間違い」という誰でもやる可能性のある間違いでも、いまは「踏み間違いするようなボケのくせに運転するのが悪い」っていうふうに世の中の空気が出来上がっているのが怖い。そういうふうに言う人間にかぎってもし自分が踏み間違ったら「わざとじゃないのに犯罪者扱いで実名報道・・・」とかいってガクゼンとするんだろうなあ。「踏み間違い」などという些細なミスで人が死ぬような機構のクルマ自体に問題がある、っていうふうにならないのも怖い。
踏み間違い事故のことはともかく、報道機関や警察のさじ加減で実名報道されたりされなかったりというのはやめるべきではないか。容疑者の段階では実名報道はナシ、公判請求され公開の裁判をやることになったら隠す意味ないから実名でも可、でいいじゃないか。例外を設けるとすれば政治家や公務員などの権力者。そのへんは容疑者の段階でも実名報道してしかるべきでしょう。そこは公表しないと、まさに「知る権利」が侵害されることになる。
門倉有希「門倉有希ベスト ~J-COLLECTION~」
福島県出身の歌手、門倉有希のベスト。2005年作。
Amazon.co.jp 門倉有希 ベスト~J-Collection~
さる6月6日、乳がんのためお亡くなりに。心よりお悔やみ申し上げます。
乳がんの治療をしていたというのはだいぶ前から言っていたと記憶していますが、長い闘病生活、つらかったことでしょう。お疲れさまでした。このアルバムを、追悼の意をこめて聴かせてもらいました。
近年はがん治療の影響もあってか歌声に全盛期のようなパワーが感じられないことも多かったですが、このベスト盤では力強い独特のハスキーな歌唱を聴くことができます。 彼女の代表曲と言われればまっさきに最大のヒット曲「ノラ」が出てくるでしょうし、「ノラ」も異次元レベルの超絶名曲なのは間違いないですが、
私がこのベスト盤の収録曲でいちばん素晴らしいと思うのは「グッバイ」。「女の漁歌」のような直球演歌も良かったがバラード調の哀愁曲のほうがより声に合っていて魅力的だったと感じます。オフィシャルな動画がなかったのでここには貼りませんが「グッバイ」はとにかく素晴らしい感動的佳曲なのでぜひとも買って聴いてみていただきたい。すると素晴らしい歌手の早すぎる死を惜しむ気持ちになるはずです。
おススメ度・・・★★★★☆
EXARSIS「NEW WAR ORDER」
ギリシャのスラッシュ・メタルバンド、EXARSISの4作目。2017年作。
いわゆるNEW WAVE OF THRASH METAL系バンドの宝庫となって久しいギリシャのバンド。いかにもっていうジャケ絵とバンドロゴが嬉しい。私は聴くの初めて。ちょっと期待して聴きました。
そのテのバンドの典型ともいうべき、弦が擦り切れるのが先かギタリストの手首がイカれるのが先か、っていうくらいの超高速ピッキングの嵐からなるリフがチョー気持ちいい、真っ正直なスラッシュ・メタルでした。ひたすら突っ走る曲のなかにたまにねじ込まれる叙情ギターソロがなかなかいい(「それで終わり?」みたいなのが多くてちょっとハンパなのは残念)。
しかし、1曲だけ聴けばいいんだけど、アルバム全編聴くと「同じような曲やリフが多いな」という気もする。ヒステリックなヴォーカルも歌唱は悪くないのにキャッチーなラインというものがない。
国内盤ボーナストラックとして収録されているSLAYERの「Evil Has No Baundaries」とRAZORの「Hypertension」のカバーを聴くとそれがさらに目立ってきてしまう。この2曲はイントロのリフだけで「あ、あの曲」となるけれども、本編の曲にはそういうのがちょっとないんだよなあ。耳に残るキャッチーなフックとかいったものがない。まあこのへんの名曲と比較したらそれも仕方がないか。
で、そのカバーがけっこういいデキでちょっと驚いたんですけど、カバーがいちばんカッコいいっていうのも考えものだなあ。本編に足らないところが際立ってしまうくらいならそんなもの入れないほうが。ARCH ENEMYみたいに「こんなもんいらねえよ!」っていうクソみたいなカバーを入れてくれるよりはいいですけどねえ。
おススメ度・・・★★★☆
PYORRHOEA「DESIRE FOR TORMENT」
ポーランドのブルータル・デスメタルバンド、PYORRHOEAの1st。2004年作。
Amazon.co.jp Desire for Torment
このバンド名は英語?調べると「pyorrhea」というのが出て、膿漏、膿汁、とかいう意味らしいがそれなのかな。
それだとすれば、まさにそのバンド名はまさに「名は体を表す」ものになっている。ドッロドロなブルータル・デス! ヘドロだらけの激流の下水道のなかで溺れているような感覚に陥る。
いやあこれはかなり凄まじいアグレッション。まあ全部同じ曲と言われれば「そうだね」としか言えないけれど、ここまでやれば清々しいというか、「さっきの曲となにが違うんだよ・・」とかいう文句は、前にあるものすべてを無に帰すような圧倒的音の壁の前に消し去られてしまうような気になる。
このテのバンドはそういうところまで到達できるかどうかがA級とB級以下の差になってくると思うんですけど、その意味ではこのバンドはA級ということになる。ブルデスマニアにしかおススメできませんが、そのクオリティは低くない。
おススメ度・・・★★★☆